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太地の暴行:シー・シェパード支援者、地裁が無罪判決 関係者に広がる波紋 /和歌山

 ◇被告・晴れやかな表情 漁業者・「暴力行為心配」
 太地町でイルカ搬送作業の関係者への暴行罪に問われた反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」支援者への22日の和歌山地裁の無罪判決は、地元でSSメンバーらと漁業者のトラブルが続く中、関係者に波紋を広げた。【岡村崇、竹田迅岐、岸本桂司、神門稔】

 判決は、イルカ飼育などを監視していたアーウィン・フェルミューレン被告(42)が、警備の男性を押しのけたとする検察側の主張を「男性の供述の信用性に疑問が残る」と退けた。

 公判後、フェルミューレン被告は「無罪だと言ったのに2カ月も勾留された。裁判官は男性はうそをついたと言ってくれた」と晴れやかな表情。傍聴に訪れたSSメンバーは「今回はありがたいことに、世界の注目を浴びることになった」と皮肉を込めた。

 イルカ漁を批判的に描いた映画「ザ・コーヴ」の公開以降、多くの反捕鯨団体関係者が来町している。県警公安課によると、昨年9月の漁開始から1月末までにSSメンバーら計約100人が訪れており、現在も計15人程度が滞在して、漁などの監視を続けているという。

 10年9月にはイルカを入れたいけすの網が切断される事件も発生し、県警は今漁期から警備体制を強化。鯨類追い込み網漁の解禁に備え昨年8月下旬に特別警戒本部を設置し、同町内には臨時交番を開設して警察官10人を常駐させた。

 こうした中、県警は同被告を現行犯逮捕した。しかし、地裁で無罪となり、地元からはショックの声があがる。追い込み漁の地元漁業者で作る「太地いさな組合」の三好雅之副組合長(67)は「この日も漁に出たが、ビデオカメラで間近で撮影され妨害を受けた。判決で彼らの活動が正当化され、暴力行為がやまなくなることが心配」と話す。

 国際捕鯨委員会(IWC)捕鯨全面禁止絶対反対太地町連絡協議会会長で、同町議会議長の三原勝利さん(74)も「非常に残念な結果。直接的な行為だけでなく、反捕鯨の人たちは町にたむろし、迷惑このうえない。毅然とした態度が必要」と訴えた。

毎日新聞 2012年2月23日 地方版

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